巷でよく聞く間違ってる(と筆者は思う)セオリーその2〜寡黙吊り〜
先日、職場でこんな話をされました。
後輩「カルナさんカルナさん、この前俺人狼ジャッジメントってのやってみたんですよー。」
俺「おー。どうだった?」
後輩「いやー、難しいっていうかよくわからんかったです。何か正直よくわからんから黙ってたら怪しいって言われて死にました。」
俺「あー…あるあるやな。」
後輩「携帯だから打つ速度もそんな早く打てないし、周りも用語とかで何言ってるかよくわからん感じでしたね。」
という話。
俺もその会話の中で言っていますが、まぁあるあるですよね。経験した事がある人も多いのではないでしょうか。
ぶっちゃけ経験者の皆さん的には初心者からトップクラスで相談される事案なのではないでしょうか。
What is 寡黙吊り
寡黙吊りとはその名の通り、「この人は寡黙だから(喋らないから)この人に投票する」という投票理由です。セオリーっちゃセオリーですね。
もっと深く踏み込むと、「この人はあまり喋らない=意見が出ない=人狼なのかそうじゃないのか判断がつかないので後々沢山喋って人狼ならボロを出すかもしれない&村人なら建設的な意見を言ってくれるかもしれない人と比較して今も数日後も情報量の大差が無いから今投票しよう」
という投票(だと俺は思ってる)なのですが、寡黙吊りという単語だけが横行し過ぎてそこまで考えず「寡黙だから吊ります」で済ませている、あるいは寡黙だから他に理由がなくても吊っていいと思ってる人が多々居ます。
寡黙吊りというセオリー
さて、本題。今回の件、この後輩君は何が悪かったのでしょうか?というお話…
ではありません。
人狼ゲームにおいて、最初に初心者が寡黙になるのは当然の事です。
「なんでや!喋るのが人狼ゲームやろ!喋らん奴は吊られて当然やんけ!」と思っているそこの貴方。
そこの貴方こそ読むべきだ、この先を。
インターネットが普及した今日この頃、人狼ゲームに限らずルールや専門用語、その他セオリー等を調べるのは容易な事です。
いくら初心者だろうが何だろうがそれぐらい調べてこい、という意見はまぁわからんでもない。特にルールぐらいはね、予習しておいた方がお互いやりやすいだろう、とは思う。
だが、予習した=対等にプレイ出来るとはならないのである。
そもそも人狼ゲームというのは他のゲームに比べてルールがなかなかに難解である。
そして経験者の方もそれを説明する時間がゲーム中になかなか無い、というのが更に難しいところなのですがそれはさておき。
例えば野球で例えてみよう。
バッターはボールを打ったら一塁に走る。
ちょっと調べればこれはすぐわかるでしょう。
しかし、今の今まで野球のやの字も知らなかった人に野球をやらせて、いざバットにボールが当たって即座に走り出せる人が何人居るでしょうか?
「あっ、当たった!えっ、いいの?走っていいの?」
って一瞬ぐらい思いません?俺は思う。
まぁ勿論個々の性格次第だとは思うけどもね、結構そんなもんよ。
今は野球で例えたからこんな感じだけど人狼ゲームになると一塁に走る事は知ってるけど一塁がどこにあるかわからん状態の人なんていっぱいいると思います。
要するに
って事で。
じゃあ寡黙吊りはしてはいけないのか?
これはあくまで一個人の意見ですが、寡黙吊りはしてはいけないのか?という質問をもしされれば、回答としては
A.ネット人狼なら致し方ない場面も存在するとは思うが、対面及びskype等の人狼においては基本的に寡黙吊りというセオリー自体が存在し得ないべき。
と思ってます。ちょっと難しい言い方してますが。
何故対面etcではダメなのか?
これは店長時代に話を聞いたところ、寡黙な人の大半は、今回の後輩君の件みたいに「何を喋ったらいいのかわからない」というパターンと、「喋りたいけど周囲の意見が早すぎて会話に入るタイミングがわからない」の2つのパターンがほとんどです。
これ、周りがいくらでも解消出来ます。
例えば寡黙な人が居たとしましょう。
その人に「今どう思ってます?」って一言聞くのってそんなに難しい事でしょうか?
「自分は限られた時間で意見を出しているのにこの人は出してこないのだから吊られて当然だ」と思ってるならばそれはマジで大間違いです。
対面人狼における議論時間は、人数×30秒±1分ぐらいである事が多いです。
つまり、貴方が1分喋ればそれは誰か一人の意見する時間を全て奪っているのと同義です。
その上で「寡黙なので吊ります」なんて言われたら、言われた方はたまったもんじゃないですよね。
というかよっぽどのルールもさっき覚えたレベルのド初心者多数+たった一人の経験者みたいな村じゃなければ、自分の意見を長々と語るよりも、
喋ってない人に「今誰が怪しいと思ってますか?」って聞く方がよっぽど建設的です。
で、更に言えば「今どう思ってますか?」と聞いて、無言で何も答えずリアクションすらしない人って多分9割9分存在しませんよね。だいたい何かしら返答が返ってきます。
そこまでやった上で全く喋らない相手に対して「寡黙なので吊ります」って言うならもうそれは仕方ないし、喋れない方は申し訳ないがそれは流石に人狼ゲーム向いてないと思う。
ついでにそうやって他の人に話を振ったり意見を聞いたりしてると何となく吊られにくくなります。
僕の友人の元マジシャンが得意なヤツです。
ちなみに振られた初心者の方は序盤の方は特に「まだちょっとわからないです」って言っても全然大丈夫です。
逆にわからないのに何か言わなきゃ!って無理に誰が怪しいとか言うと、それはそれでなんとかして自分以外の誰かを吊りたい人狼に見えるので逆効果です。
勿論怪しいと思う人がいるなら全然言っちゃいましょう。
人を疑う事、そしてそれを口にする事は勇気が要るとは思いますが、それで怪しまれてキレるような人はその人の器が小さいか逆転裁判の犯人かのどちらかです。
ではネット人狼では?
ネット人狼ではこの様に発言を振ってもタイピング速度やネット環境等諸々の関係、或いはもっと言えば見逃してた、等で「話を振られても意図的に無視する事が容易」な環境なので、寡黙吊りという概念は致し方ない部分もあるのかなあ、と思ってます。
ただ、それを対面人狼や他の環境にに持ち込まない事の方が大事なのかな、と思います。
筆者はネット人狼はほぼやってないので推測に近くて申し訳ないのですが。
さてさて、間違ってると思うセオリーシリーズ第二弾でした。
これでちょっとでも初心者の人が喋りやすくなればこれ幸いです。
また、同時に全ての人が平等に喋れる環境が増えれば嬉しいな、と思います。
ではまた。